美男子の恋事情!

「は、はは。海生が女のこと可愛いなんて言うの珍しいな。どした?」



窓の外にいる優奈から目を逸らす。


なんでこんなにモヤモヤするんだろう。


海生が優奈のこと何とも思ってないことぐらいわかってるのに。


可愛いって、海生の口から聞きたくなかった……



「あんま優奈を悲しませんなよ。あいつは俺の幼馴染でもあるんだから」


「……わかってるよ」



何だよ、何なんだよ……


そんなの海生に言われたくない。



訳がわからない感情にイライラして、右足の踵を上げて貧乏揺すりを繰り返す。



「本当にわかってんの?知ってるか?優奈のやつ、最近陸部の奴に告られたみたいだぞ?」



は?優奈が告られた?


何だよそれ。俺聞いてねぇし。



「喧嘩ばっかしてると、そのうち取られるぞ。それが嫌なら少しは素直になれよな」



流し目で俺を見ると、海生は「セイラと約束あるから先帰るわ」とラケットバッグを肩に掛けて颯爽と部室を出て行った。



窓の外に目を移す。


部室を出た海生が優奈の元に行って、楽しそうに話してるのが見える。



……んだよ、別にそんなのどうってことないだろ。


あいつらだって幼馴染。話すのは普通だし、楽しそうにするのだって当たり前だ。


なのに、なのに……胸が痛い……


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