美男子の恋事情!
なんでこんな酷いことが出来るんだろう。
優奈は何も悪いことしてないし、俺のためにこんな遅くまで文句ひとつ言わずに待っててくれたのに。
そんな優奈を置いて、俺は他の女の元へ向かってる。
ただの嫉妬だ。
海生が優奈を可愛いと言った。
優奈は俺には言えないことを海生には話した。
たったそれだけのことで、俺は優奈に当たってしまった。
海生も優奈も悪くない。
悪いのは、自分に自信がないが故に劣等感に苛まれて、大事な人に当たる俺だ。
「怖い顔してるー!なんかあったの?」
馴れ馴れしく腕に手を絡めてくる女。
化粧が濃い。髪は茶髪に染めて傷んでるし、色がまだらだ。
香水もきつい。付け爪も長い。
櫻川にしては珍しいぐらいのギャル。
「わかった!彼女と喧嘩でもしたんでしょう?あの彼女、気強そうだもんねぇ。なんかガード固そうだし?あれは苦労するわぁ」
「私が慰めてあげよっか?」と耳元で囁く女。
色気なんて微塵も感じない。
優奈は見た目素朴だけど、こいつより断然可愛い。
化粧しなくても、香水を振りかけなくても、髪の毛を染めなくても。
優奈は最高の女だ。