美男子の恋事情!
③
「拓真。お前、昨日何してた?」
翌日の朝、昇降口で俺を待ち構えていた海生に裏庭まで連れてこられると、開口一番に地を這うような声で言われた。
「何って……別に」
いつも無愛想な海生だけど、今日は怒りが満ちた険しい顔をしている。
「別にじゃねぇだろ?何してたか聞いてんだけど」
「なんでそんなの海生に言わなきゃなんねぇの?」
言えるわけねぇし。優奈を置いて女と会ってたなんて。
決してやましいことはしてないけど、待っててくれた優奈を置いてったっていう罪悪感があって、俺を睨む海生から目を逸らした。
「昨日、優奈と会った。一人で駅前歩いてたぞ」
「っっ、」
「あいつ、泣いてたぜ。言ったよな?あいつを悲しませるなって」
海生の声が更に低くなる。
俺が完璧に悪い……だけど。
「海生には関係ない。これは俺と優奈の問題だ」