美男子の恋事情!
「拓真、ニヤニヤして気持ち悪い」
ふふ、と笑う優奈も、言葉とは裏腹に嬉しそうだ。
「優奈うっさい」
「あー!照れてる。可愛いっ‼︎」
「馬鹿!照れてねぇし」
海生のことは今でも凄い尊敬してる。
なんでも卒なく格好良くこなす海生は、俺の憧れでもあり自慢の幼馴染でもある。
だけど、海生は海生。俺は俺だ。
この二人のお陰で、なんか胸の中で燻ってた物がスッキリした感じ。
それに、こんな俺でも優奈は俺が良いって言ってくれるし。
俺はこのままでもいいかなって思えた。
あー、やっぱり俺はお調子者なんだな。
自分の単純さについ笑みが零れる。
「おい!お前ら、もうチャイム鳴るぞ!」
校舎の上の方から聞こえた声に顔を上げると、三階の廊下からテニス部顧問の横山大介(ヨコヤマ ダイスケ)、通称大ちゃんがニヤニヤしながら顔を覗かせていた。