初恋ナミダ。
第3章

*好き



いつだったか椎名先生が言ってたっけ。

誰にでも好かれ、受け入れられる。

そんなことはありえないって。

私は今、確かにその通りだと痛烈に感じていた。


放課後、下校前に寄った女子トイレ。

個室に入ってる私の耳に届いたのは、数人の女生徒が会話する甲高い声。

そして、その会話の内容はというと……


「宮原遥でしょ?」

「そう!」

「えー、ウザいね」

「椎名も内心迷惑なんじゃない?」

「絶対迷惑でしょ。椎名先生はマジメだから面倒見てるだけだろうし?」

「もしかしたら宮原、椎名ゲットできるとか思ってんのかな?」

「いやいや、無理だから。美少女でもないし、椎名先生の隣に並ぶとかおこがましいわ」


私への不満だ。

幸い、聞きなれない声だから私の友達じゃなさそうだけど、それでもこうやって陰で自分の事を言われるのは胸が痛くなる。


< 101 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop