初恋ナミダ。
第3章
*好き
いつだったか椎名先生が言ってたっけ。
誰にでも好かれ、受け入れられる。
そんなことはありえないって。
私は今、確かにその通りだと痛烈に感じていた。
放課後、下校前に寄った女子トイレ。
個室に入ってる私の耳に届いたのは、数人の女生徒が会話する甲高い声。
そして、その会話の内容はというと……
「宮原遥でしょ?」
「そう!」
「えー、ウザいね」
「椎名も内心迷惑なんじゃない?」
「絶対迷惑でしょ。椎名先生はマジメだから面倒見てるだけだろうし?」
「もしかしたら宮原、椎名ゲットできるとか思ってんのかな?」
「いやいや、無理だから。美少女でもないし、椎名先生の隣に並ぶとかおこがましいわ」
私への不満だ。
幸い、聞きなれない声だから私の友達じゃなさそうだけど、それでもこうやって陰で自分の事を言われるのは胸が痛くなる。