初恋ナミダ。
手伝わせることになって申し訳ないと思いつつ、でもやっぱり一緒にいれることが嬉しくて。
さっきまでは面倒だった掃除が、楽しいイベントに変わる。
その、浮かれた気持ちがいけなかった。
伸ばされていたホースにつまづいた私はバランスを崩し……
「わ、わわっ」
踏みとどまることが出来ず。
「宮原!」
水の張られたプールに背中から落ちた。
水色の世界に、コポリコポリと気泡の音が聞こえる。
目を開けば、太陽の光を受け揺れる水面がキラキラと反射していて、綺麗で。
思わず手を差し出した刹那──
光の隙間を縫うように
「宮原!」
差し出された椎名先生の手が、私の手を掴んだ。
飛沫をあげながら水中から助けられ、ずぶ濡れの私は先生の強い力でプールサイドへと上げられる。