初恋ナミダ。


思わず眉根を寄せてしまう私に、椎名先生は構わず唇を動かす。


『週1、朝9時半から11時までの授業だ。せっかくの機会だし、学力キープの為にも受けないか?』


正直、受けたくなかった。

夏休みになってまで学校で勉強なんてしたくない。

去年の私なら絶対断っている。

即、首を横に振る。

──だけど。


『これ、教えるのは椎名先生?』

『ああ、そうだ』


好きな人に会えるなら、心は揺れ動くもので。


『ホントに週1?』

『もちろん。特にテストも予定してないし、追加講習もないよ』

『それなら、参加しようかな』


私は首を縦に振り、参加を了承したのだった。



< 129 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop