初恋ナミダ。
「あ、まだいる。良かったー。先生、質問いいですかー?」
猫なで声で椎名先生に走り寄り、私を軽く突き飛ばすようにしながら、椎名先生を囲んだ。
よろついた私を先生が気にした素振りを見せたけど、私は小さく笑みを作り大丈夫だとアピールする。
すると先生は僅かに頷いてから、彼女たちに質問を促した。
キャッキャと声高く今日の講義について話す彼女たちの声。
私はそれを聞きながら、先生に背を向けて歩き出す。
何で、私に打ち明けてくれたのか。
その理由がいいものであればと、願いながら。