初恋ナミダ。


もしかして、倒れ込んだ時に捻った?

確かめるように足首を動かすと、再び痛みを感じて私は眉を顰めてしまう。

もう……最悪だ。

手のひらに、口の中に、足首。

この短時間で3箇所も怪我してしまうなんて。

しかもそれが他人の独占欲によるものだなんて。


「……許してよ」


先生を目で追うことを。

好きでいることを。

叶わないならせめて、想うことだけは、許してよ。


悔しくて、悲しくて、切なくて。


ごちゃ混ぜになった気持ちを抱えたまま立ち上がり、制服についた砂を払うと、痛む足を庇うようにしながらゆっくりと歩き出した。

……とりあえず保健室に行こう。

湿布をもらって貼っておけば、いくらか痛みもマシになるはずだ。

そう考えて校内に入り保健室を目指し歩く。


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