初恋ナミダ。
第4章

*忠告



呼び出しから1週間が明けた今日の数学特別講義に、ありがたくもあの3人組は姿を見せなかった。

理由は多分、世間がお盆に突入しただからだろう。

なので、3人だけでなく、他の子も欠席が多い。

いつもは30名ほどが参加している教室も、今日の出席者は10名に満たない。

がらんとした教室は、椎名先生の声もよく通る気がする。

ちなみに、宮原家のお盆の予定はというと、会社自体が夏休みな為、普段は忙しい両親も当然夏休みに入った。

だけど、今年は舞子が一時でも退院できないので里帰りの予定はない。

母は、おじいちゃんたちに会いに行きたいなら1人で行ってきてもいいよと言ってくれてたけど、私は首を横に振った。

両親とゆっくり過ごせるのはこういうまとまった休みの時にしかない。

だから、おじいちゃんたちに会えないのは残念だけど、こっちで過ごすことにした。

捻挫もようやく良くなってきたところだし。

そう思いながら、講義の最中に捻った足首を机の下で軽く回してみる。

痛みは感じない。

今朝、患部を押すと痛みはあったので、まだ完治はしていないけど、普通に歩けるなら十分だ。


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