初恋ナミダ。
「どうしたらいいんだろ……」
「……悩み事か?」
「えっ?」
驚いてプリントに落としていた視線を上げると、椎名先生の視線とぶつかった。
「私、何か言ってた?」
「ああ。無理だとか、どうしたらいいとか」
しまった!
悩み過ぎて無意識に!
「また、何か溜め込んでるのか?」
「い、いえ……」
真っ直ぐな先生の瞳から逃れるように、視線をプリントに戻す。
こんな風に優しくされて、気持ちをしまい込めるわけないよ。
それなら……迷惑をかけない程度に先生との距離をあけよう。
今できるのはそれくらいだ。
正直、少し寂しいけど……
好きな人の為になるのなら、それがいい。