初恋ナミダ。


「どうしたらいいんだろ……」

「……悩み事か?」

「えっ?」


驚いてプリントに落としていた視線を上げると、椎名先生の視線とぶつかった。


「私、何か言ってた?」

「ああ。無理だとか、どうしたらいいとか」


しまった!

悩み過ぎて無意識に!


「また、何か溜め込んでるのか?」

「い、いえ……」


真っ直ぐな先生の瞳から逃れるように、視線をプリントに戻す。

こんな風に優しくされて、気持ちをしまい込めるわけないよ。

それなら……迷惑をかけない程度に先生との距離をあけよう。

今できるのはそれくらいだ。

正直、少し寂しいけど……


好きな人の為になるのなら、それがいい。


< 155 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop