初恋ナミダ。
*イメージ
昼休みの学食は今日も活気に満ちていた。
広いフロアにはたくさんの長テーブルと椅子が並んでいて、支払い口や受け取り口には生徒が並んでいる。
「日替わり定食おまちどうさま!」
元気のいいおばちゃんの声と共に、私の頼んだ日替わり定食がトレイに乗せられて。
私はそれを手にすると、すでに席についているメガネがトレードマークの親友、坂本(さかもと)くるみの隣に座った。
くるみは日替わり丼の焼き鳥丼にしたようで、長いストレートの黒髪を後ろに結わく。
そして、いただきますと口にすると、箸を手にとった。
私もくるみに続き、チンジャオロースを前にいただきますと言って箸を持つ。
すると、すでに焼き鳥を頬張ったくるみが、その利発そうな顔を私に向けた。
「昨日、舞子(まいこ)ちゃんのとこだったの?」
"舞子"とは、私の妹の名前。
私は白米を噛みつつ頷き、飲み込んでから言葉を返す。
「調子良さそうだったよ」
昨日の舞子の様子を思い出しながら話せば、くるみは「ふむふむ」と口元を綻ばせた。