初恋ナミダ。
「……て、ない」
胸が苦しくて、声が掠れる。
その苦しさから解放されたくて、私は息を吸い込むと──
「私たちの為になってない!」
思いと共に声を放った。
今日、舞子だって寂しそうにしてた。
最近お母さんとお父さんは忙しいの? って零してた。
生活だけできてればいいものじゃない。
不自由じゃなければ幸せだとは思わない。
必要なのは……
私や舞子が求めてるのはそんなんじゃない!
これ以上お母さんと同じ空間にいるのが辛くて、私はリビングを飛び出し自室に向かった。
後ろから「遥!」と呼び止める母には何も答えず、私は自室の扉を勢いよく閉め、朝まで部屋に閉じこもったのだった。