初恋ナミダ。
これは……なに?
先生は私の誕生日なんて知らないはずだし……
「開けていい?」
「宮原のだ。好きにしてくれ」
ペンを動かしながら背中越しに答える先生。
許可が下りたのでリボンを解き、箱を開けると、そこには。
「わっ! 可愛い!」
淡く優しい色のマカロンが5つ並んでいた。
「どうして私に?」
「たまたま見つけて、なんとなく宮原が好きそうだと思ったんだ。まあ、いつも勉強頑張ってるからな」
それに、甘い物は疲れた時にいいと先生は横顔で話してくれた。
「先生、ありがとう。凹むことあったんだけど、おかげでぶっ飛んだ」
誕生日のことを親が忘れていても、このマカロンを見て私を思い出してくれた先生。
しかも、それを買ってプレゼントしてくれた。
それだけでもう、素敵な誕生日になったよ。
嬉しくて自然と笑みが溢れる。