初恋ナミダ。
──それから少しして。
お昼ご飯を完食した私たちは、学食のあるアリーナから校舎棟に移動する為、並んで渡り廊下を歩く。
目的地はくるみの教室である2年3組だ。
ちなみに私と悠馬のクラスは2年2組なので、くるみの教室はすぐ隣。
なので、休憩時間はお互いのクラスを行ったり来たりしている。
途中、くるみが自販機で飲み物を買いたいと言い、私たちは渡り廊下の先にある自販機の前で立ち止まった。
何にしようか迷うくるみ。
彼女は人差し指を泳がせながら「それにしても」と唇を動かして。
「椎名っちが頭なでなで、ねー」
楽しそうに口元を歪ませた。
実は、ここまでの道すがら、一昨日のことをくるみに話したのだ。
椎名先生という人を、くるみがどんな風に見ているかを知りたかった。
私が持っていたイメージと同じなのか、とか。
どうやら同じだったようで、くるみは続けて「そんなイメージ確かにないね」と話した。
そして、アップルジュースのボタンを押す。
「やっぱ? 注意と言う名の説教をされるイメージの方が強いよね」
私が話す椎名先生イメージに、くるみがアハハと笑った。