初恋ナミダ。
星々の輝きが消え、朝焼けが空を染める。
閉められたカーテンの隙間から、その明るさを感じたのが先か……
「は!?」
椎名先生の驚愕する声を聞いたのが先か。
目を覚ました私は、のそりと上半身を起こして目を擦った。
そして、セミダブルベッドの足元の方で、尻餅をついたように片膝を立て口をパクパクさせている椎名先生に頭を下げる。
「おはよーございます」
お辞儀をひとつした後に、あくびをひとつして。
寝不足気味でうまく働かない頭で、ぼんやりと考える。
先生は何をそんなに焦っているのか、と。
窓の外からは鳥のさえずりが聞こえる。
「俺か? 俺が間違えてここで寝たのかっ?」
珍しくポーカーフェイスが崩れてる先生は、眉間に皺を寄せて自問自答している。
とりあえず聞こえてきた言葉で、先生が何で取り乱してるのかは理解できた。
昨夜は私もテンパッたけど、今度は先生の番だ。