初恋ナミダ。

「てか、降水確率90パーだったじゃん」

「そうなんだ。予報見忘れてて」


雨に濡れて色の変わった街並みを歩きながら会話を交わす。

……悠馬は、椎名先生との噂を聞いてるんだろうか。

そう疑問に思ってちらっと傘を持つ悠馬を見れば。


「どうせ椎名のことばっか考えてたんだろ」


思考を読まれたように先生のことを口にされた。

しかも、それが図星だから何も言い返せなくて無言になってしまう。


「デートしたとか、んなことよりさ、椎名は逃げたんだろ」

「え？」


いきなりの言葉に私は目を丸くした。

悠馬はそんな私を真面目な顔で見る。


「お前、呼び出しされてないだろ？」


頷くと、悠馬はやっぱりなと零した。


「なら、椎名は謹慎を言い渡されたんじゃなく、言い渡される前に理由つけて逃げてんだよ」


ハッキリと言い放った悠馬。