初恋ナミダ。


何を、話せばいいんだろう。

話したいこと、伝えたい想い。

たくさんありすぎてわからない。

わからないけれど、話してないと終わってしまう気がして。


「先生、私ね、ちゃんと伝えたよ。お母さんとお父さんと、少しずつだけど向き合ってる」


私は必死に言葉を紡いだ。


「ありがとう、先生」


そう、感謝の気持ちを伝えた時だった。
先生が弱々しく頷いて。

僅かに、口元を緩めた。


「……せんせっ……」


大好きな人が笑みを浮かべてくれることが、こんなにも嬉しいのに……


「先生のおかげだよ。先生がいてくれたから、進めたの」


涙が。


「先生、あのね……私ね」


想いが溢れて。


「先生のことが、大好きです」


止まらない。


「だから、お願い……」


どうか、神様。

先生の命を、明日を、未来を


「遠くにいかないで」


奪わないでください。


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