初恋ナミダ。
発売日は3日前。
けど確か、今月号は今、10代の女の子たちに大人気の男性アイドルが表紙だったはず。
つまり、表紙買いされる恐れが高いので、早めにゲットしないと売り切れてしまうのが予想された。
本屋に寄ってから帰ろう。
決めると、私は駅前にある大きな本屋を目指した。
そして、雑誌コーナーに到着するも……
「……ない」
予想的中。
すでに売り切れていて。
仕方なく、隣のビルに入っている本屋に移動する。
だけど、そこでもお目当ての雑誌は売り切れていた。
あ……もしかしたら大きな本屋じゃなければあるかもしれない。
思いついた私は、さっそく足を動かし、駅前ではなく少し離れた商店街にある個人経営の本屋へ。
──しかし。
「悪いねー。今日の昼に売れちゃったのが最後だったんだ」
ちょっと髪の毛のボリュームが少ないけど、愛想のいい店主が残酷な事実を告げた。
悪いねとか言ってたけど、悪いと思ってる感じがしないのは、雑誌の売れ行きがいいからだろう。