初恋ナミダ。


「これで水分をしっかりとるように」


これも買ってくれたんだ。

もう……なんていうか、接すれば接するほど、私の中にある椎名先生のイメージが変わってく。

普段学校で見る先生は、一見厳しそうでとっつきにくい印象なのに。

関わってみれば、実は優しくて。


「……ね、先生」

「なんだ?」

「先生って何気に心もイケメンなんだね」

「いきなりなんだ」

「んー…思ったことを口にしただけ?」


他意はない。

ホント、ただそう思ったから声に出した。

私の返事に椎名先生は呆れたように目を細める。


「バカなことを言ってないで早く寝ろ。見舞いに行くんだろ?」

「そうだった」


明日の為に早く治さないと。

ハッとして掛け布団を引き寄せた瞬間──

ケホケホと、先生が咳き込んだ。


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