初恋ナミダ。


そういえば、宝生先生って色気があって男子生徒からの人気は当然の如く高いけど、実は女生徒からも人気があったりするんだよね。

男子はともかく、女子からも人気があるのは、こんな風に自分をさらけ出してくれる人だからかもしれない。

ならばと、私はもう少し突っ込んでみることに。


「お近づきって、好きだからじゃないんですか?」


普通、近づきたいという感情は好きだからこそ産まれるものなんじゃないか。

本当に好きな人が出来たことのない私には想像の中だけのものだけど、質問をぶつけると、宝生先生は微笑んで。


「興味があるから、かしらね」


その理由を明かした。

そして続けて「宮原さんは?」と首を僅かに傾げる。


「私が、何ですか?」

「椎名先生に興味あるの?」

「へっ?」


マスカラが塗られたまつげの長い瞳を細める宝生先生。


「あ、それとももう好きだとか?」

「ち、違いますっ。私は別にっ」


何でここで私の話になるのか!

慌てて首を横に振ると、宝生先生はいたずらっ子のような笑みを浮かべる。


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