初恋ナミダ。
「わー、痛そう。やったげようか?」
「いいよ。自分でできる。それより遥は? どうした?」
「うん。ちょっと頭痛くて」
答えると、悠馬は消毒液を膝につけながら唇を動かす。
「まだ完治してないんじゃねーの?」
「何が?」
「何がって、熱出しただろ。椎名が看病したとかいう時の」
「ああ、あれかぁ。どうかなー。ただの寝不足だと思うんだけど」
それとも、完治したと思ってたけど実はまだだったとか?
考えながら思わず首を傾げていると、手当を終えた悠馬が顔を上げた。
「寝不足? なんか悩みでもあんの?」
あ、悠馬の顔が若干私をバカにしてる。
「私だって悩みくらいあります! けど、寝不足の理由は別だよ」
私がどれだけ努力してるかを語りたいところだけどグッと堪える。
大人になれ、私。
今度のテスト結果で驚かせてやるんだ。