初恋ナミダ。
「な、なに?」
不機嫌な視線を送る悠馬の用件を促せば。
「……ばーか」
「えええっ!?」
彼は悪態を私にぶつけてから、保健室を出て行った。
それを横目で見送った先生の視線が私に向けられて。
ベッドの上で、悠馬に掴まれていた腕をさすりながら、なんとなく愛想笑いを浮かべてしまう。
「えっと……保健室に用事ですか?」
どこか居たたまれない気持ちになりながらも、素朴な疑問を投げた私。
そして、椎名先生が少しの沈黙の後零した言葉は……
「お前の様子を見に」
予想外のものだった。
「私、の?」
驚き、瞬きを繰り返し、腕を組む椎名先生をジッと見つめてしまうと、先生は逃げるようにツイ……と視線を私から外して。
「また無理をしてるんじゃないかと気になって来てみたんだが……」
更に、想像してなかった言葉を口にした。