【完】わたしの恋のキューピッド
私はホッとして真司先輩を見ると、
どことなく真司先輩もホッとしてるような表情だった。


でも美雪さんは少し不満そうな表情をしていた。
やっぱり、美雪さんも真司先輩のこと・・・


そう、思いながら蓮にお礼しようと、
蓮の顔を見ると、どこか、苦しそうな表情に見えた。


蓮・・・?


「じゃあ、俺もう行きますんで・・・」


「あ!蓮!」


歩きだした蓮に声をかけると
蓮は振り返ってくれた。


「あ、ありがとね!!」


私がそういうと、蓮は少し笑ったあとに、
口をパクパクさせて声を出さずに何かを言ったようだった。


「・・・?」


何となく口の動きを真似してみる。



ばーか・・・、ば!ばか!?



おそらく前半の部分はバカと言ったのが分かった、
しかし、後半はなんて言ってたのかは解読不能だった。


蓮のことだからきっと
「自分でなんとかしろよな・・・」
とか、言ったんだろうなと思った。


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