【完】わたしの恋のキューピッド
「はい、大丈夫ですよ?」

私は笑って見せた。

あれ、そういえば・・・


「美雪さんは?」


さっきから美雪さんの姿が見えない。


「あぁ、美雪は帰ったよ、
なんか怒ったみたいにそそくさと・・・」


「え・・・そうですか。
あの、真司先輩はどうしてここに?」



「優木さんを探してたんだ、
あの・・・俺・・・」


「・・・?」



「優木さんと一緒にお祭り廻りたい!」


「え・・・!?」


「俺が誘ったのは優木さんだ!それに・・・」


「・・・それに?」


「蓮君と廻るって言われたとき、
よくわからないけど、
なんかすごく悲しくなった・・・」


「それで、嫌ならいいけど・・・
一緒にお祭り廻らない?」

「い、嫌じゃないです!!
一緒に・・・廻りたい・・・です!」


私はまた泣いていた。


「え!?ど、どうしてないてるの!?
どっか痛いの!?」


「いえ・・・なんでもないんです・・・!」


今度の涙はうれし涙だ。


ふと蓮の居た方を向くと、
蓮はその場から立ち去ったのか、
姿が見えなくなっていた。


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