【完】わたしの恋のキューピッド
「蓮!」

いきなり大声で呼ばれ思考の中から戻された。


「蓮、なんだかどんどん薄くなってってる・・・!」

言われ、自分の手を見てみる。

確かにさっきよりも透けてきた。

「蓮、消えないでよ!
私、蓮ともっと一緒にいたいよ!」

バカだな・・・

「お前、さっそく浮気か?
真司先輩がいるだろ・・・」

無理に笑って見せた。

「だけど・・・」

藍は少しの間うつむいたが、
俺に顔を向けた。

「そうだね・・・、
私、蓮にばっかり頼ってた、
でも、もうそれだけじゃダメだよね・・・!」

「あぁ・・・」

「蓮が、いなくなっても・・・
私・・・頑張るから・・・」

泣きそうな声で言う藍につられてか、
自分も泣きそうになってきた。

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