タイムパラドックス
時間旅行
「いいなー吉染さん!元旦、明日から旅行かぁ
で、どの時代に行くんでしたっけ?」
もう夜中だというのにこの賑わい
いつものことだがどうも慣れんな
今日は特にか
本当なら帰って寝たいのだが今日は仕方ない
「江戸ですよ、花のお江戸」
「江戸!?…って、えーっと、二千……
二百年くらい?前じゃないですか
すっごーい…」
「そうですね」
約二千年前
私達31世紀の人間にとって
その時代は夢か幻か…
存在していたことはわかっている
けど実感がない
「ねぇねぇ吉染さん、誰と行くんですかぁ?」
……ちょっと飲み過ぎよ
程々にしなさい、帰れなくなるから
「さあ?」
「えー、教えてくださいよ~」
ダメよ
あなたじゃ教えてもわからないわ
というか
教えても明日には忘れてしまうでしょう
頭痛を残して