元カレには彼女がいる。でも好きで仕方ない

散った恋花・咲かせたい恋花

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「おはようございます！それでは、夏休み明けに行われる学園祭についての決定事項をこれから発表します。」


教室に入ってきてすぐ朝礼を始めたこのおっさんは、オレら1年3組の担任(42歳独身)

朝礼が始まっているのにザワザワうるさい教室。必死に大声で話す担任の声は一番後ろの席に座るオレまでかろうじて聞こえる程度だ。

窓側から２列目の一番後ろ…なかなかいい席で気楽に過ごしている。
咲良なんて窓側の一番前の席で可哀想だ…まぁ本人はどの席だろうと自由に過ごしていそうだけど。

ほら今も…オレに向かってジェスチャーで何かを伝えようとしてる。


”咲良とオレ…ぶつかって…ハート”


？？？

全然わからねぇ…


首を傾げたオレを見て咲良は何度も同じジェスチャーをしてくるけど、何度繰り返されても伝わらない。
次第に大きくなる動きにクラス中が注目し始めた。


一瞬静まる教室…そしてすぐ騒つきが戻ったけど、さっきとは違うザワザワに変わった事に咲良は気がついているのだろうか。


「野々原…先生の話聞いてるか？」

先生…もっと早く注意してくれよ。
と思った矢先
咲良はまたこっちを見て”怒られちゃった”
みたいな顔をした。


入学から3ヶ月…何度これを繰り返していることか。