元カレには彼女がいる。でも好きで仕方ない

どうしよう…なんでここに涼くんがいるの?
こっちの学校に友達なんかいたっけ?


わたしの頭の中はパニックと緊張で溢れていく。

昨日のキスのあと、家まで送ってもらって”またね”って手を振った。
そこからわたしは、キスシーンのリピートを繰り返していただけで、今後のことを一つも考えていなかったわけだ。

もちろん次にいつ涼くんと会えるのか
なんて考えても見なかったし、わたしから連絡して約束しよう。くらいの気持ちだったから……離れた一直線上の姿に頭はさらにお祭り騒ぎ。

いつまでも優希の背中に隠れてなんかいられない。


「優希…涼くんさぁ多分…多分わたしに会いに来ているよね?」



「確実にそうだろ!?咲良って
そんなに自信ない子だったっけ?」


「イヤ…わたし…涼くんの前だとこんな風になっちゃうの…」


俯きながら優希の腕をギュッと掴んで
涼くんへ向かってゆっくり歩き出した。
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