元カレには彼女がいる。でも好きで仕方ない
「えっ?いいけど…なんで彼氏?」

「それは……聞いてて…電話の内容」

頷いてくれた涼くんの手をギュッと握りしめながら、ふたりで公園内のベンチに移動した。

何とも言えない緊張感は涼くんにも伝わっていると思う。

携帯電話を片手に、大輝の家電へ電話を掛けた。


呼びだずコール音に鼓動が早くなる。

「はい中野です」

電話に出たのは大輝のお母さんだった。


「あっ…もしもし、野々原咲良ですけど…」


「あら〜咲良ちゃん!お久しぶりね。大輝ね?ちょっと待っててね〜」


おばちゃんにはすごく可愛がってもらっていた。胸がギュッと締め付けられていく…

同時に涼くんの手もギュッと握りしめた。
わたしの隣で意外にも落ちついて座る涼くんはこの状況をどう捉えているんだろう。
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