元カレには彼女がいる。でも好きで仕方ない
涼くんはいつもより少し声のトーンを落として言った。




「彼女と別れて咲良と付き合いたい。
でも別れたら学校気まずいし…クラスの女子にもいろいろ言われるだろうし…」






きっとこれが涼くんの答え。





俯くわたしを見た涼くんは続けた。



「でも…俺本当に咲良が好きだよ」




やめて…聞きたくない。
これ以上乱さないで。




「ありがとっ…。でも………」



「でも…?」


こらえている涙が溢れ出しそうで…




「でも……もう会えない…。」


「えっ?まじで言ってるの?」


「……うん」

そう深く頷いた。




「そっか……咲良はそれでいいの?」



そんな風に聞かないで…
ズルイね涼くんは。



わたしはもう一度深く頷いた。
同時に涙が頬を伝っていた。

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