元カレには彼女がいる。でも好きで仕方ない

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普段滅多に鳴らないオレの携帯電話が鳴り響いて、思わずビクッとした。



画面には”メッセージ 咲良”の表示



昨日会ったばかりだけど、どうしたんだろう…不思議に思いながらメッセージを確認した。





”なにしてる？今から会える？”



ほぼ引きこもりのオレに予定なんてない。
もちろん”会えるよ”と返信したけど、
何かあったのか、またノロケでも聞かされるのか？




なんて…いろいろ考えながら家の近くの橋へ急いだ。



急ぎ足のオレの目に映った川と夕焼けは息をのむほど綺麗で、思わずカメラのシャッターをきる。


レンズ越しにポツンと見えたのは
橋の上から夕焼けを見つめる咲良の姿だった。


いつもと違う咲良の雰囲気に
オレは足を早めた。




「待った？」


寂しげな後ろ姿に声をかけると、
振り向きもしない背中から
か細い声が聞こえてきた。



「ううん…急にごめん…ね」



いつも明るくて能天気に笑っている咲良しか知らないオレにとって、こんな空気は初めてで…声のかけ方もわからなくなってしまった。




「……さ…咲良？」




呼びかけに応えるように振り向いた
その顔と後ろの夕焼けがあまりにもマッチしすぎて目が離せなくなった。