オレ様男子に愛されて。(上)
昼休みでーす!
で.....
なんでこうなってるのかな?
席は、なぜか神崎が隣だし。
ゆうがなんで私の前に座ってるのか謎なんですけどもー?
「なぁ、その卵焼きおいしそう。
1個ちょーだい。」
「はい?」
てか、近い近い!
やたら顔近いよ神崎っ!
「赤くなってんじゃん。」
「赤くなんかなってないから!」
「勝った。」
目の前には勝ち誇った顔をする神崎。
はあああぁぁぁぁー?
負けてなんかない!
負けてなんかないわ!
「勝ったから、卵焼き食う。」
と言った瞬間、神崎は私の卵焼きを箸でつかみ、口に入れた。
「お、甘い卵焼き。」
「なに?甘いとだめ?」
「いや、意外。
甘い卵焼きっていうイメージがない。」
「だっておいしいんだもん。
甘い卵焼き、好きなんだー。」
「うん、俺も好き。」
優しげな顔で、神崎が好きとか言ってくるから、顔が.....
「また赤くなってるし。
なに?俺は今、甘い卵焼きが好きっつっただけだよ?」
ニヤニヤする神崎。
「し、知ってる!
分かってるから!」
「ま、でも俺は、由奈の方が何倍も好きだけどな?」
こんなやつの言葉に、惑わされてはいけない。