オレ様男子に愛されて。(上)
熱出してしまいました。
ぴちちちちち.....
朝です。
昨日はよく眠れませんでした。
恋.....
こい.....
K O I .....
その言葉が、頭から離れなかった.....
否定しても否定しても、
その言葉は余計に離れてくれなくて。
朝から疲労が.....
とかなんとか考えながら、とりあえず電車に乗る。
「由奈、おはよ。」
神崎ッッ?!
いつもは電車の時間違うのに.....
なぜ今日に限ってー!
「由奈、どーした?」
神崎が手を伸ばす。
「触らないで!」
冷たい声が出た。
やってしまった、と思った。
なのに、神崎は.....
「無理。
だって、お前、ほっとけないから。」
そう言うなり、まだ開いている電車の扉から、駅のホームに降りた。
ぐい!
「うわっ!」
私も引っ張られて、駅のホームに。
「な、なにすんの?!」
私の質問には答えずに、私を持ち上げておんぶするなり、
駅の出口へ走り出した。
そして、向かったのは.....
私の.....家?
扉を開けると、私の部屋に入り、私をベッドに降ろす。
「ちょっ、学校行かないと.....むぐっ」
口に体温計を入れられる。
ピピピッ。
「見ろ!」
神崎が体温計を差し出す。
「38.5?」
熱出てる.....
朝からボーッとしてたのは、
そういうことだったのか.....
「鍵もちゃんと閉めてなかったし.....。
なんでそんな不用心なんだよ!」
神崎、珍しく怒ってる.....
「ごめ.....なさい.....」
「ごめん、俺も言い過ぎた。」
神崎が謝ることないのに.....
「由奈はとりあえず寝とけ。
台所借りるぞ。
お粥かなんか作るけどいいか?」
「あり、がと.....」
「おう。」
優しく笑ったその顔を見ると安心して、
私は寝てしまった。