オレ様男子に愛されて。(上)
電車に乗って、ゆうと蒿くんは帰っていき、私と神崎が残った。
「今日、悪かったな。」
突然神崎が口を開いた。
「ううん、大丈夫だよ。」
「大丈夫なわけないだろ。」
「そんなことない。大丈夫。」
「強がるな。
怖かったんだろ、お前も。」
「それは.....」
突然、涙が溢れてきた。
「うっ、ううっ.....」
涙はとめどなく流れる。
「ごめん、俺がついててやるのが当たり前だった。」
「ちが、だいっじょうぶ。」
「もう、由奈に怖い思いさせない。
だから、ごめん。」
「うっ、ん。」
何度も何度も私はうなずいた。
声にならない分、何度も。
神崎がいれば、もう何も怖くない、そんな気がしたんだ。
神崎を信じたい。
そう、思った。