オレ様男子に愛されて。(上)


試合は、やはり相手が強豪校なだけあって、押され気味です。



あと.....



「「「いっけー行けー!
おっせー押せー!
行け!押せ!
行け押せ東郷!」」」



相手のチームの、

このやたら大きい声の応援団が.....



結構気が散る!

うちのチームは相手に振り回されて、汗だくになって走り回っている。



点差は、1対3。


このままでは、間違いなく負ける。

あと、10分しかない。



でも、神崎がボールを取った。



「神崎!
それだけは絶対にゴールしなさい!」



あ、口が滑って意味分からんことを.....



でも、神崎には聞こえたのか、

神崎は少し笑って、

ゴールに向かって全力で走り出した。



そして.....



「ゴール!」



ピピーっ!



試合終了だ。



負けてしまった。

すごく、すごく悔しい。



たぶん、先輩はこれで引退。

私なんかより、先輩の方が悔しいんだろうな.....



「ううっ.....」



先輩、泣いておられる.....



私の目にも涙が滲んだ。



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