キミ色の手紙~繋がる奇跡~
――シーン
静まり返った生徒玄関の前で、あたりを見回す。
そして、誰もいないことを確認してから、大谷海斗と書かれたプレートの下の下駄箱に素早く手紙をすべり込ませる。
ふぅー。一気に安心感が湧いた。
なんとか手紙を入れることが出来た私は、やっぱり誰もいない教室で、みんなが登校してくるのを待った。
いつも賑やかな場所が静かだと、なんだか違和感があるなぁ。
さっきの緊張がまだとれなくて、ドクドクと音をたてる自分の心臓の音だけが聞こえて、変な気分。
もう、あとは返事を待つのみ……。
海斗の性格がこんなに変わっちゃったのは、何か理由があるのかな?
いや、あるんだよね、きっと。
この後の海斗の返事は全然予想がつかないけど、これからまた、昔みたいに仲良く過ごせたらいいのに。
まぁ、海斗と堂々と仲良くしたらどうなるか、分かってるんだけどね……。