キミ色の手紙~繋がる奇跡~
「母さん、知らない人宛ての手紙が入ってたよ」


朝、新聞をとってきてと頼まれて郵便受けを覗くと、知らない人の名前が書かれた手紙が入っていた。


「あら、近くの水城さんの家だわ」


水城さん……


引っ越してきたばかりで近所の人とかはよく分からないけど、引越しの挨拶についていった気がする。


「今忙しいから、海斗、届けてきて」


1人で行くのは緊張したけど、渋々外に出た。


春休みらしくぽかぽかしていて、時折吹く風が気持ちいい。


教えてもらった場所に着くと、深呼吸をしてからインターホンを押した。


『はーい、どちら様ですか?』


「お、大谷海斗っていいますっ!

水城優菜さん宛ての手紙が間違って届いたみたいで、その……届けに来ました」


上手くは言えなかったけど、伝えられてほっとした。


――ガチャッ


「わざわざありがとうね

どうぞ、あがっていって」


お母さんらしき女の人が出てきて、中に招き入れてくれた。


「優菜ー、あなたへの手紙ですって」


その女の人が奥の部屋に声を掛けた。


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