キミ色の手紙~繋がる奇跡~
「あぁ!!」


突然梨香が叫んだ。


「なになに、どうしたの?」


「次体育なのに着替えてなかったー!」


そういえば次は体育だったっけ。


ふと見ると、私と乃愛は着替えてあるのに梨香はまだ制服。


「あと2分で予鈴なるよ?
やばいじゃん」


冷静に乃愛が言った。




「はー、なんとか間に合った」


結局梨香を待ってた私と乃愛も、体育館まで全力疾走するはめになってしまった。


私達の教室から体育館って、一度渡り廊下を通って体育科の校舎側まで移動しないといけないから地味に遠いんだよね。


しかも体育の先生、大野だし。


大野は私達のクラス担任で、怒ると怖いし口うるさいから不人気なんだけど、私は好きかも。


なんか憎めないし、生徒想いなのがなんとなく分かるんだよね。


「そろそろボールしまえー」


いつの間にか授業が終わったみたいだった。


私は体育委員になっちゃったから、片付けないと帰れないんだよね……。
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