【完】いつも通っている道に恋が生まれる
私は、夏奈子を見て、やはり彼女には嘘つけないと思った。
「……メール送ったの」
私は、ポツリと言った。
「どんな内容送ったの?」
「夏奈子にメールで言ったでしょ。梅原さんに初めて話しが出来た時に、メールで名前を名乗ってからお詫びをしたの。申し訳ありませんでした、途中でお話を中断してしまいって」
「うん、そうだね。お詫びしたって言ってたね。でも、別に謝らなくて良かったんじゃないの?」
「私は、梅原さんに失礼なことをしたかもしれないからお詫びしたの」
夏奈子は、難しい顔で私を見てきた。
「まあ、真白の言ってることも分かる。でも、梅原さんは別に何とも思ってないじゃないかな。朝だったし、仕事行かなくちゃいけないし」
私は、テーブルに置かれているお菓子を手に取り考えた。
「夏奈子の言っていることは一理あるかも」
私はお菓子を口に頬張った。
「それで、後は何か送ったの?」
夏奈子は、漫画を両手で持って言った。
「……はあ、もういいや」
私は、諦めて夏奈子に梅原さんとの会話内容を見せた。