【完】いつも通っている道に恋が生まれる
「……何故犬飼さんがわざわざここまで?」
犬飼さんは水を飲んでから私に言った。
「私も分かりません。でも、あいつには幸せになってほしいんですよ」
犬飼さんは何故か悲しそうに外を眺めてから私に言った。
「だから、花守さん。あいつとまた会って頂けますか?」
犬飼さんは、優しい目で私を見て言ってきた。
犬飼さんの目を見て、何故かこの人はまだ何かを私に隠してると思えた。
「はい、是非会いたいと思っています」
犬飼さんは、よかったと肩の荷が降りたのか背伸びをした。
「あ、すいません」
「そんなに梅原さんが心配なんですね」
私が犬飼さんに質問した時に、オーナーがお待ちと言い、オムライスが運ばれてきた。
「さあ、頂きますか」
私と犬飼さんは、オムライスを食べながら、さっきの続きを話し始めた。