【完】いつも通っている道に恋が生まれる
「……そうですね」
私は急に恥ずかしくなって、下を見た。
私達は、オーナーにご馳走様でしたと言い、外に出た。
「じゃあ、こっちなんで失礼しますね」
犬飼さんは、反対方向の道を指をさして言った。
「あの……なんであなたは梅原さんのことそんなに教えてくれるんですか」
犬飼さんは微笑み浮かべて、私に言った。
「きっと花守さんにも分かるときがきますよ、ではこれで」
私は、その言葉の意味が、全く分からなかった。
でも、いずれ知ることになる。
梅原さんが本当に抱えている闇を……