【完】いつも通っている道に恋が生まれる
私、焦ってる
私が仕事に行く際に通勤しているいつも通る道に、いつもなら梅原さんが通るはずなのに最近見かけなくなった。
一週間前までは、通る度会釈したり、口でがんばって下さいと言ってくれた。
私はがっかりしながら、歯を磨いていた。
その時、一通のメールが届いていた。
それは梅原さんだった。
私は歯磨きしながら携帯を弄っていたので口から吐きだしそうになった。
ゴホゴホと咳こみながら、メールを見た。
すると、内容は明日、会えませんかというお誘いだった。
私は異性からの誘いは初めてだったので学生みたいに胸をときめかせていた。
本当に恋をしたことないのかと考えると、今思えば恋っぽいことをしたことだってあることはある。
私に好意を持って接してくる異性はいた。
私がその気持ちに薄々気づいて、一方的に冷たく接したりしたからだ。
その男性は、私は嫌いではなかった。
でも、あの時の私はよく分かっていなかったのだ、恋を。
その時の私は自意識過剰だったかもしれないが、大体私は人の気持ちが分かるから恋が出来ない。
でも、今回の恋は違う。
私が初めて好きになった人。
それは一番違う所。
私は、明日は仕事が休みなので、メールに明日、大丈夫ですと返信をした。
すると、すぐ返ってきて。
では明日、俺達がいつも通る所でと書いてあった。
いつも通る所。
それは、紛れもなく私が告白した所である。