【完】いつも通っている道に恋が生まれる
「え?梅原さん?」
梅原さんは、私の肩にポンと手をのせて言った。
待ち合わせ時間は、11時なはずなのに、なんで!
ってか、私の肩に梅原さんの手が…
もう会って数秒も経ってないのにドキドキが止まらないよ。
「う、梅原さん。待ち合わせ時間まだまだですよ。早くないですか?」
私はこの感情を隠しながら梅原さんに言った。
「いや、分かってましたよ。でも、ここ散策したいなと思って」
梅原さんは、私に向けた本当の笑顔か分からないがニコと笑った。
「そうでしたか……では、早いですけど一緒に散策しますか?」
「そうですね、早く来たことだし。後、花守さんともきちんと話をしなくてはならないと思うので……」
梅原さんは、眼鏡をクイとあげてから俯きながら私に言った。
「それなら、私の勤務先の近くでお勧めな所を連れてきたいんですけどいいですか?」
私は梅原さんに提案した。
「いいですけど…あれ見なくていいですか?」
梅原さんが指をさした先は、私達の目の前にあった公園で何かのイベントが行われていた。
「私は、見なくていいですよ。人たくさんいるの苦手なんで」
梅原さんは、安心したような顔で
「良かったです。俺も苦手なんですよ」
梅原さんは、自分の髪を右手で掻きながら言った。