【完】いつも通っている道に恋が生まれる
私に気を遣ってくれたんだ。
優しいな
私はそんなことを思っていたら、
「花守さん」
梅原さんが私のことを初めて名前で呼んでくれた。
「名前……覚えてくれたんですね?」
私は梅原さんに笑顔で話しかける。
もう私の胸の中は嬉しくてしょうがないのだ。
「……それは覚えてますよ」
梅原さんは、ちょっと照れ臭そうに言った。
やはり、仕事とプライベートでは違うなと思えた。
いつもはスーツを着ているのに、長袖に長ズボンというラフな格好だった。
スーツ姿もいいけど、本当の梅原さんを見れた気がして何か嬉しい。
ウフフと私はにやけた。
それを気づいたのか梅原さんは
「どうかしましたか?」
「い、いえ」
私は首を振った。
「それでは、行きますか?」
梅原さんは私の前を歩き始めた。
意外にも、引っ張ってくれるんだと思えた。
朝見る度、しっかりしているという印象を受けていた。
だから、本当に私の理想の人だ再確認した。