【完】いつも通っている道に恋が生まれる
梅原さんは、私を見て、ハッと思い出したかのように
「……すいません、こんな話」
梅原さんは、私を見て言った。
「いえ、大丈夫ですよ」
私は笑顔で答えた。
「……友達として、花守さんには俺のこと知っていてほしいんです」
梅原さんは、俯きながら言った。
「……はい、私も梅原さんの事知りたいです」
友達としてか……と私は思いながら、水をまた口に含み言った。
「ありがとう…ございます。…父親が亡くなった後、母親は、俺に暴力するようになり、俺がおもちゃだから叩いても壊れないんだからと言って…毎日……俺のことを叩いては蹴っていました」
私は、梅原さんの話をまばたきしないで聞いていた。
梅原さんは、苦しそうに胸を掴んで話してくれた。
「弟は、俺とは正反対に優しく接していました。しかし、俺をストレスを軽減する道具として、弟は、きちんとした子供として…」
梅原さんは、私を見て言った。
「……そんなの……梅原さんが?」
「……大丈夫ですよ」
梅原さんは、ズボンのポケットからハンカチを取り出して額の汗をふき取った。