【完】いつも通っている道に恋が生まれる
梅原さんは、スプーンを右手で持ち、一口だけ食べて言った。
私はまた振られたのか
梅原さんは、私のことが好きなのかよく分からない。
でも、本当の彼が見れないということは私には好意がなかったのか
「……分かりました。でも、たまにメールしてもいいですよね?」
私はスパゲティをクルクル回しながら言った。
「……それは勿論」
「あ、そうだ。ここの席、犬飼さんも座ったんですよ」
私達は、この前来た犬飼さんの話を少しして喫茶店「星」を出た。
私の勤め先に連れて行って、この辺りをブラブラ散策して別れた。
私は、別れ際に何かあったら相談にのりますよと言った。
その時の梅原さんの顔が満面の笑みであったが、やはり目は笑っていなかった。
私はその表情を見て、梅原さんははいと答えてくれた。
私は、その顔を忘れられない。
笑顔の裏に本当の彼はいるのだろうか
私は思った。