【完】いつも通っている道に恋が生まれる
本当の彼
梅原さんと二人で出掛けた後、メールすら来ない。
いつも通る道には梅原さんはいるが、前とは違く、前よりも真面目な雰囲気を醸し出して、誰とも話したくないとうオーラが私にしか分からないオーラが放っていた。
私はあっと声をかけようとしたが、梅原さんはすぐ行ってしまった。
私はなんか寂しかった。
ため息をつき、仕事をしていると、店長が声をかけてきた。
「花守ちゃん、ちょっとここの会社に行って花届けてくれない?」
店長は、私に伝票を見せて言った。
「ここの会社は、すぐ近くだから行ってきて!ほら、何かあったか知らないけど……外の空気でも吸ってきな」
店長は、私が何か悩んでいることに気づいて、仕事にならないから外に出て、花の配達を頼んだんだ。
いつも配達は、店長唯一の楽しみだというので私に任せないのに……
店長に申し訳なくなった。
私は伝票を見た。
すると、そこは梅原さんが働いている場所、Rocoデザイン会社だった。
伝票には、ひまわりと花束がふたつ注文されており、そのふたつを会社に持ってきてほしいということが書かれていた。
そんなことよりも、私は梅原さんの会社に行けるので、沈んでいた気持ちが一気に明るくなった。
え?嘘ーー!
私は伝票を見ながら、手を口に押さえて嬉しい感情を抑えながら車に乗り込んだ。