【完】いつも通っている道に恋が生まれる

「すいません……お待たせしました…花守さん?」

それは、梅原さんであった。
本当に彼に会えるとは思わなかった。

私はひまわりを両手で抱えながら口元が緩んでいることを知られないように花で隠した。

「う、梅原さん!」

梅原さんは、驚いたようで目を丸くしていた。

「はあー、陽介にやられたな」
梅原さんは、しゃがみ込み言った。

「はい?」

私は全く状況が飲み込めなかった。

「……陽介に言われたんです。ここに来たのは、今、花を用いたデザインを考えているんですけど、その参考としてお客様が来るから行ってきてって言われたんです……」
梅原さんは、今起きていることを包み隠さず話してくれた。

「……そうでしたか。では、これは……」

梅原さんは、花を見た瞬間驚いた様子で
私に言った。

「………あーそういうことね、陽介のやつ」

私は何のことだか分からない。

梅原さんは、今まで以上に真剣な眼差しで私を見て言った。
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