【完】いつも通っている道に恋が生まれる

「花守さん…俺は今までの本当の俺とは何かと考えていてあなたにメールすることさえ出来ませんでした」

梅原さんは、私を見て言った。

「でも、本当の俺は……やはり臆病です。しかし、ひとつ言えるのは、昔の俺になかったのは自分の意思を貫くことです。諦めてばかりだったんですけど、あなたが俺に初めて声を掛けてくれた時から自信が持ってました。ありがとうございます」

私は、いえいえと応えた。

「では、今は本当の梅原さん?」

「はい」
私は申し訳なさそうに梅原さんに言った。

「……すいません、あのーひまわりどうしたらいいですか?」

梅原さんは、笑って

「では、俺が貰いますよ」
梅原さんは、楽しそうに私からひまわりを受け取り、お金を払った。

しかも、ひまわりと花束ふたつ。
犬飼さんは、払わなくていいのだろうかと考えてしまう。

まあ、それよりも梅原さんが私に本音で言ってくれたことは嬉しかった。

しかも、梅原さんは、前よりもきちんとした笑顔でそう答えて私に言った。
外見上は変わってないけど、ハキハキして言っているように見えた。

本当の彼を見た。
それだけで充分のはずなのに、胸が苦しいのはなんでだろう。

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